Copilot StudioでA2A対応エージェントを作成する方法
Copilot StudioのA2A接続は2026年4月に一般提供されました。本記事では、外部に公開したA2A対応エージェントをCopilot Studioのオーケストレーターへ追加し、委任できる状態までを扱います。

この記事でわかること
- Copilot Studioは外部A2Aエージェントを追加し、専門タスクを委任できます。
- HTTPSエンドポイントと認証方式に加え、設定画面から取得されるAgent CardのCORS対応も必要です。
- 現行Microsoft手順とA2A 1.0ではwell-known URIの記載が異なるため、相互運用テストが不可欠です。
この記事で作るもの
今回作るのは、Copilot Studio自身をA2Aサーバーとして公開する構成ではありません。外部で動く専門エージェントをA2A対応のHTTPSエンドポイントとして用意し、Copilot Studioのエージェントから接続・委任する構成です。
PRODUCT DEMOCopilot Studioを使った実際の動作を動画で見るなぜCopilot Studioなのか
理由はモデルの優劣ではなく、外部A2Aエージェントを製品の設定画面から接続できる機能が、一般提供されているからです。Copilot Studioでは通信エンドポイントと認証方式を登録し、外部エージェントをオーケストレーションの委任先として追加できます。
2026年8月15日時点で公開されている各社の公式資料を同じ条件で比べると、一般向けのChatGPT、Claude、Gemini Appsには、Copilot Studioと同じように任意のA2Aエージェントを委任先として登録する公式導線が確認できません。ChatGPTとClaudeのカスタム接続はMCPが中心で、Gemini AppsのGemsは指示や知識を再利用する機能です。
| 製品 | 公開されている接続方式 | A2Aの位置づけ |
|---|---|---|
| Copilot Studio | 外部A2Aエージェント、各種connector | A2A接続をGAで提供 |
| ChatGPT | MCP Apps/custom MCP connector | 外部A2A登録の公式手順は確認できず |
| Claude | remote MCP connector | 外部A2A登録の公式手順は確認できず |
| Gemini Apps | Gems、Connected Apps | 任意の外部A2A登録は確認できず |
| Gemini Enterprise | Agent Card JSONを手動登録 | Preview。v0.3 streaming対応。選択/明示指定で会話可能 |
| Google Agent Platform | A2A対応runtime | A2A agent frameworkをPreviewで提供 |
つまり、コードで独自のオーケストレーターを組むのではなく、GAのローコード管理画面、接続先認証、テストキャンバスまで含めてA2A連携を試したい場合に、Copilot Studioが現時点で扱いやすい選択肢になります。
事前準備
- Copilot Studioの対象環境と、エージェントを編集・接続設定できる権限
- Copilot Studioから到達できるHTTPSのA2Aエンドポイント(公開または構成済みのVNet/オンプレミス接続)
- None、API key、OAuth 2.0のいずれかの認証設計
- 接続先エージェントの名前、説明、得意なタスク
- 本番利用に必要なCopilot StudioライセンスとCopilot Creditsの確認
試用ライセンスでもエージェントの作成とテストチャットはできますが、公開はできません。本番化する場合は、スタンドアロン契約、従量課金、Microsoft 365 Copilotなど、利用形態に合う権利を管理者と確認します。
外部A2Aエージェントを公開する
外部エージェントは、Copilot Studioから到達できるHTTPS URLで公開します。開発時はDev Tunnelsなどで確認できますが、本番では認証付きのWeb Appやコンテナへ配置し、安定したホスト名、証明書、監視、レート制限を用意します。
Microsoft Agent Frameworkを使う場合は、ASP.NET Core統合でエージェント、パス、Agent Card情報をマッピングできます。次は構造を示すための最小例です。パッケージとAPIは更新されるため、実装時はMicrosoft Learnの最新版に合わせてください。
app.MapA2A(
agent,
path: "/a2a/specialist",
agentCard: agentCard
);Agent Cardを標準のwell-known URLで公開すると、Copilot Studioが名前と説明を自動取得できます。取得できない場合は手入力も可能です。
Copilot Studioから接続する
- 01
親エージェントを開く
Copilot Studioで、外部エージェントへ仕事を委任する側のエージェントを開きます。
- 02
A2A接続を追加
左側の「Agents」から「Add an agent」を選び、「Connect to an external agent」内の「Agent2Agent」または表示される「A2A agent」を選択します。
- 03
通信エンドポイントを入力
Agent Card URLではなく、外部エージェントの通信エンドポイントURLを入力します。Agent Cardが取得できれば名前と説明が補完されます。
- 04
認証を選ぶ
None、API key、OAuth 2.0から選択します。本番では公開範囲とデータ感度に合わせ、原則として認証を設定します。
- 05
接続を作成して追加
Createを押し、必要なconnectionを選択して「Add and configure」で親エージェントへ追加します。
委任をテストする
テストキャンバスから、外部エージェントの説明とスキルに合う依頼を送ります。単に最終回答が返るかだけでなく、どのエージェントへ委任されたか、必要な会話履歴が渡ったか、Taskが完了・失敗・追加入力待ちになったときの挙動も確認します。
- 親エージェントが適切な依頼だけを外部へ委任する
- 認証失敗・タイムアウト・キャンセルを利用者へ説明できる
- 同じcontextIdの会話が意図せず別ユーザーと混ざらない
- 外部へ渡すチャット履歴に機密情報や不要な個人情報が含まれない
- ストリーミング結果、Task状態、最終Artifactを正しく扱える
本番化のチェックポイント
Copilot Studioは接続の窓口を提供しますが、外部エージェントの品質、データの流れ、権限、監査は導入者の責任です。次の項目を運用設計へ含めます。
- OAuth 2.0やAPIキーの保管・ローテーション・失効手順
- DLP、データ所在地、会話履歴と成果物の保持期間
- 外部エージェントの変更監視とAgent Cardの再評価
- 入力検証、出力の機密度、別の外部エージェントへの転送制御
- 委任率、成功率、遅延、失敗理由を追う監視と監査ログ
- 人の承認が必要な操作と、緊急時に接続を止める手順
画面や機能は段階的にロールアウトされるため、公開前に対象テナントでUI、A2Aバージョン、タスク操作、ライセンスを再確認してください。
参照した一次情報
- 1Agent2Agent (A2A) プロトコル経由でエージェントに接続する — Microsoft Learn
- 2What's new in Copilot Studio — Microsoft Learn
- 3Licensing for agents powered by the standard harness — Microsoft Learn
- 4Requirements, licensing, and subscriptions for Copilot Studio — Microsoft Learn
- 5Host an A2A agent with ASP.NET Core — Microsoft Learn
- 6A2A Protocol Specification v1.0 — A2A Protocol
- 7Fetch Standard: CORS protocol — WHATWG
- 8Developer mode and MCP apps in ChatGPT — OpenAI Help Center
- 9Get started with custom connectors using remote MCP — Claude Help Center
- 10Register and manage A2A agents — Google Cloud
- 11Agents overview — Google Cloud
- 12Browse agents with Agent Gallery — Google Cloud
- 13Core Assistant agent — Google Cloud
- 14Build custom experts with Gems — Google Gemini
- 15Create an agent — Agent2Agent (preview) — Google Cloud