本文へ移動
A2A基礎

A2AとMCPの違いとは?役割・設計・使い分けを比較

結論から言えば、A2Aは「エージェントとエージェント」、MCPは「AIアプリケーションとツール・データ」をつなぎます。どちらか一方を選ぶのではなく、同じシステムの異なる境界で併用するのが基本です。

読了 8分齊藤 慎之介
上段のエージェント間連携と下段のツール・データ接続が補完し合う二層構造の概念図

この記事でわかること

  • A2Aは、独立したエージェント間の発見・委任・タスク状態と結果の共有を扱います。
  • MCPは、AIアプリケーションがtools・resources・promptsを利用する境界を扱います。
  • 専門エージェントの内部でMCPを使い、専門エージェント同士をA2Aでつなげられます。
目次
  1. 01まず結論:接続相手が違う
  2. 026つの観点で比較
  3. 03A2AとMCPを併用する構成
  4. 04どちらを使うべきか
  5. 05共通するセキュリティ責任

まず結論:接続相手が違う

A2Aはエージェント同士をつなぎ、MCPはAIアプリケーションをツールやデータへつなぎます。この一文が最も大きな違いです。

A2Aでやり取りする相手は、自ら推論・計画し、複数のツールを使い、長時間のタスクを進める独立したエージェントです。一方、MCPサーバーはtools、resources、promptsなどを公開し、AIアプリケーションが必要な能力やコンテキストを利用できるようにします。

6つの観点で比較

A2A 1.0とMCP 2026-07-28の責務比較
観点A2AMCP
主な接続エージェント ↔ エージェントAIホスト/クライアント ↔ サーバー
相手の性質内部実装が不透明でもよい自律的な主体ツール、データ、プロンプトを公開する能力提供者
中心モデルAgent Card、Message、Task、ArtifactHost、Client、Server、Tools、Resources、Prompts
得意な仕事委任、交渉、長時間・マルチターンの協調関数実行、データ取得、コンテキスト供給
状態Taskの状態と成果物を追跡能力利用の要求と結果を交換
典型例購買エージェントが物流エージェントへ配送計画を依頼購買エージェントが社内DBや見積APIを利用

「A2Aは会話、MCPは関数呼び出し」とだけ覚えると不十分です。A2Aの本質は、会話に加えてタスクのライフサイクルと成果物を扱えること。MCPの本質は、AIアプリケーションに能力とコンテキストを標準的に供給することです。

A2AとMCPを併用する構成

たとえば顧客対応エージェントが配送変更を受け付け、物流エージェントへA2Aで委任します。両エージェントは、それぞれの担当業務に必要なCRM、注文DB、配送APIをMCP経由で使えます。外部との協調と内部の道具利用を分離できる構成です。

どちらを使うべきか

A2Aを検討

相手が自律的なエージェント

目標を渡し、相手が計画・実行し、途中状態や成果物を返す。

MCPを検討

相手がツールやデータ

提供された関数、リソース、プロンプトをAIアプリケーションが利用する。

判断に迷ったら、接続先が「指示に従って決まった能力を提供するもの」か、「目標を受け取って自律的に進める主体」かを見ます。前者ならMCP、後者ならA2Aが有力です。両方に該当するシステムでは併用します。

共通するセキュリティ責任

標準プロトコルを採用しても、安全性が自動的に保証されるわけではありません。MCPではツール実行やリソース送信に対するユーザーの理解と同意、アクセス制御が重要です。A2Aでは相手の本人性、認証・認可、外部エージェントへ渡す履歴とデータ、長時間タスクの監査が重要になります。

参照した一次情報

  1. 1A2A and MCPA2A Protocol
  2. 2A2A Protocol Specification v1.0A2A Protocol
  3. 3Architecture overview (2026-07-28)Model Context Protocol
  4. 4Model Context Protocol SpecificationModel Context Protocol

次に読む