A2AとMCPの違いとは?役割・設計・使い分けを比較
結論から言えば、A2Aは「エージェントとエージェント」、MCPは「AIアプリケーションとツール・データ」をつなぎます。どちらか一方を選ぶのではなく、同じシステムの異なる境界で併用するのが基本です。

この記事でわかること
- A2Aは、独立したエージェント間の発見・委任・タスク状態と結果の共有を扱います。
- MCPは、AIアプリケーションがtools・resources・promptsを利用する境界を扱います。
- 専門エージェントの内部でMCPを使い、専門エージェント同士をA2Aでつなげられます。
まず結論:接続相手が違う
A2Aはエージェント同士をつなぎ、MCPはAIアプリケーションをツールやデータへつなぎます。この一文が最も大きな違いです。
A2Aでやり取りする相手は、自ら推論・計画し、複数のツールを使い、長時間のタスクを進める独立したエージェントです。一方、MCPサーバーはtools、resources、promptsなどを公開し、AIアプリケーションが必要な能力やコンテキストを利用できるようにします。
6つの観点で比較
| 観点 | A2A | MCP |
|---|---|---|
| 主な接続 | エージェント ↔ エージェント | AIホスト/クライアント ↔ サーバー |
| 相手の性質 | 内部実装が不透明でもよい自律的な主体 | ツール、データ、プロンプトを公開する能力提供者 |
| 中心モデル | Agent Card、Message、Task、Artifact | Host、Client、Server、Tools、Resources、Prompts |
| 得意な仕事 | 委任、交渉、長時間・マルチターンの協調 | 関数実行、データ取得、コンテキスト供給 |
| 状態 | Taskの状態と成果物を追跡 | 能力利用の要求と結果を交換 |
| 典型例 | 購買エージェントが物流エージェントへ配送計画を依頼 | 購買エージェントが社内DBや見積APIを利用 |
「A2Aは会話、MCPは関数呼び出し」とだけ覚えると不十分です。A2Aの本質は、会話に加えてタスクのライフサイクルと成果物を扱えること。MCPの本質は、AIアプリケーションに能力とコンテキストを標準的に供給することです。
A2AとMCPを併用する構成
たとえば顧客対応エージェントが配送変更を受け付け、物流エージェントへA2Aで委任します。両エージェントは、それぞれの担当業務に必要なCRM、注文DB、配送APIをMCP経由で使えます。外部との協調と内部の道具利用を分離できる構成です。
どちらを使うべきか
相手が自律的なエージェント
目標を渡し、相手が計画・実行し、途中状態や成果物を返す。
相手がツールやデータ
提供された関数、リソース、プロンプトをAIアプリケーションが利用する。
判断に迷ったら、接続先が「指示に従って決まった能力を提供するもの」か、「目標を受け取って自律的に進める主体」かを見ます。前者ならMCP、後者ならA2Aが有力です。両方に該当するシステムでは併用します。
共通するセキュリティ責任
標準プロトコルを採用しても、安全性が自動的に保証されるわけではありません。MCPではツール実行やリソース送信に対するユーザーの理解と同意、アクセス制御が重要です。A2Aでは相手の本人性、認証・認可、外部エージェントへ渡す履歴とデータ、長時間タスクの監査が重要になります。